派遣社員と一言でいっても、その雇用形態には大きく2つの種類があります。
「有期雇用派遣」と「無期雇用派遣」です。
無期雇用派遣は2015年に改正された労働派遣法により誕生した雇用形態のため、まだあまり馴染みのない人も多いかもしれません。
ここでは、派遣社員における有期雇用と無期雇用の違いと、両者のメリットやデメリットなどを解説。
その上で、特に40代以降の派遣社員にとって、どちらの働き方を選ぶべきかを考えてみました。
派遣の種類と雇用契約の違い
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結びますが、その雇用契約は有期雇用と無期雇用とでは異なります。
まずは、両者の違いを確認しておきましょう!
有期雇用派遣とは
派遣社員が派遣会社へと登録し、実際に働く派遣先企業に勤めている期間のみ雇用契約が結ばれる形態が有期雇用派遣です。
派遣先企業での業務が終わると、派遣社員と派遣会社の間で交わされた雇用契約も終了します。
雇用期間に限りがあるため、有期雇用と呼ばれているわけです。
登録型派遣も同義であり、雇用契約期間は派遣先企業に勤めている期間に限られます。
無期雇用派遣とは
有期雇用派遣とは異なり、一つの派遣先企業での業務が終了しても、雇用契約を結んだままの状態が保たれる形態が無期雇用派遣です。
次の派遣先企業が決定するまで待機期間となりますが、その間も、派遣社員と派遣会社の雇用契約は結ばれたままである点が有期雇用派遣との大きな違いです。
有期雇用派遣のメリット・デメリット
有期雇用派遣は文字どおり、一定期間のみの雇用契約となるため、比較的自由な働き方が可能です。
半年や1年という期間に集中して働き、その後、長期休暇を取ることができるなど独自のライフスタイルを優先できる点は有期雇用派遣のメリットでしょう。
派遣会社への登録も容易で、企業側も一時的なサポートとして派遣社員を活用するケースが多いため、働く気さえあれば仕事が見つかりやすいこともメリットといえます。
一方で、長期間仕事を継続したい人にはあまり向かない働き方となるでしょう。
期間限定で働くことになるため、雇用期間が終了すれば、改めて仕事を探す必要が生じます。
仕事を選びやすい点はメリットとなりますが、キャリアアップへとつながる業務を任せてもらえる機会は少ないでしょう。
働いていない期間は当然給与が発生しないため、収入面で不安定である点も否めません。
無期雇用派遣のメリット・デメリット
無期雇用派遣という働き方が誕生してまだ間もないため、メリットやデメリットを詳しく知りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
実際にどのような働き方なのか、メリットとデメリットに分けて詳しく見ていきます。
実はとても多い無期雇用派遣のメリット
すでに説明したように、無期雇用派遣は派遣先企業に従事していない間も派遣会社との契約は結ばれたままであるため、次の派遣先が決まるまでの待機期間も派遣会社から給与が支払われます。
働いていない期間も収入が途絶えない点が最大のメリットです。
また、有期雇用派遣は、同じ企業で3年以上勤務し続けることができませんが、無期雇用派遣にはそうした縛りがないため、3年以上同じ企業で働くことができます。
長期間同じ職場で働くことで同じ業務に従事できる可能性も高くなり、有期雇用とは違いキャリアアップを見込める点も大きなメリットといえるでしょう。
有期雇用派遣では時給制が採用されている一方で、無期雇用派遣は基本的に月給制で給与を受け取ることが可能です。
これも安定した収入が得られるという点で重要なメリットとなるでしょう。
さらに、無期雇用派遣には正社員と近い昇給制度が設けられている場合があり、ボーナスが支給されるケースもあります。
こうした制度の有無や程度は派遣会社により異なりますが、有期雇用派遣よりも待遇面で優遇されていることは間違いありません。
無期雇用派遣のデメリットもチェック
無期雇用派遣は、有期雇用派遣と比べて自由度は低くなるでしょう。
具体的には、安定した待遇が受けられる一方で、好きな時に休んだり長期休暇を取ったりすることは難しくなります。
また、派遣会社の指示により勤務先が決まるため、有期雇用派遣のように自分に働きやすい条件で仕事を選択できなくなる可能性もあります。
登録型派遣と異なり、採用選考が設けられている点もデメリットと感じる人がいるかもしれません。
正規雇用と比較するとハードルは低いものの、有期雇用派遣よりも働くハードルが高いことは頭に入れておくべきでしょう。
おすすめは新しい働き方「無期雇用派遣」
有期雇用派遣と無期雇用派遣には、それぞれメリット・デメリットがあります。
若い世代であれば、より自由な働き方を選択するのもよいでしょう。
しかし、40代以降の派遣社員で有期雇用か?無期雇用か?で迷うなら、無期雇用派遣社員として働くことをおすすめします。
有期雇用派遣と比較して待遇面で優れているのに、正規雇用のような重い責任は生じません。雇用しているのはあくまでも派遣会社であるため、勤務先企業で役職に就いたりなどすることはないのです。
そういう意味では、派遣社員としての自由さを保ちつつ、安定して収入を得られるという点で、無期雇用派遣はとても優れた働き方であるといえるでしょう。
注目度が高い無期雇用派遣という働き方
働き方は、どのような人生を歩むのかを決定づけるほど重要な選択事項となります。
比較的新しい働き方である無期雇用派遣は、その選択肢の一つとなり得るでしょう。
よく特徴を理解した上で選択すれば、有期雇用や登録型の派遣のデメリットを避けつつ、正規雇用と似たような待遇を受けられる働き方となります。
これからの働き方として、無期雇用は積極的に選ぶ価値が出てくるのではないでしょうか。
しかし、無期雇用派遣になりたくても、希望通りにいかないことも多いのが現実です。
派遣社員として働いている期間が3年に近づくと、働き方を選択しなければならない時が訪れます。
その時は、まず自分はどうしたいのか?を1番に考えて行動してほしいです。
いかがでしたか?
今回は40代以降の派遣社員が一度は悩む「有期雇用派遣」と「無期雇用派遣」について解説しました。
働き方は人生にとって、重要な選択事項の1つですが、たとえ選択を誤ってたとしても
何度でもやり直しは出来ますよ!!